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その不安はどこから!? ~エルスバーグの逆説~

どんな人でも、多少の心配事や不安は学校、職場、家庭であると思います。

 

不安や心配を解消する手段については、

このブログでもこれからたくさん紹介していきます。

 

そもそも不安とは、どうして生じるのでしょうか?

 

またどういったときに、われわれ人間の心の中に不安という

感情が生じるのでしょうか?

 

 

今回のブログでは、不安と不安がもたらす不合理な意思決定について、みていきましょう。

 

 

 

ズバリ結論からいうと、不安とは不確実性が高く予想できないものに対する恐怖

ということができます。

 

これから何が起こるのかがわかるのであれば、人間の心に不安は生じないはずです。

 

予測が立てられないから何が起こるかわからない、

対策をたてられない、こういった理由で不安という感情は湧き起こります。

 

 

不安と関連する行動経済学の研究で、エルスバーグの逆説という有名な研究があります。

 

 

 

 

エルスバーグの逆説

ここにツボAとツボBの2つのツボがあります。

 

ツボAには黒い球50個、白い球50個の合計100個の球が入っています。

 

ツボBには黒と白の球が合計100個入っていますが、その内訳がわかりません。

 

黒25個・白75個かもしれませんし、全部白の場合だって考えられます。

 

どちらかのツボを選び、球の色を宣言してツボの中から球を1つ取り出し、

宣言した通りの色の球を引けば、賞金がもらえるというシステムです。

 

 

さて、ここで問題です。

 

賞金を得るために、あなたはA、Bどちらのツボを選びますか?

 

 

 

 

この場合、ほとんど多くの人がツボAを選ぶという結果になりました。

 

ツボAには、白黒50個ずつの球が入っているので、賞金をもらえる確率は50%です。

 

ツボAを選ぶということは、

ツボBは賞金をもらえる確率がツボAより低いという判断をしているともいえます。

 

しかし、本当にツボAのほうがお得と言い切ってもよいのでしょうか。?

 

 

 

たとえば、ツボBの内訳が白球30個、黒球70個だとして、

取り出す球を白と宣言したとしましょう。

 

そうすると、30%の確率で当たります。

 

また、内訳が逆の場合(白球70個、黒球30個)も考えておくと、

70%の確率で当たります。

 

平均的には50%の確率で、宣言通り白球を引くことになります。

 

 

実は、内訳が変わろうとも、宣言する球の色が白でも黒でも、

平均的には50%の確率で当たり、賞金を手にすることができる

という検証結果が得られています。

 

 

ツボAのように、内訳がわかっていれば

安心して球を選ぶことができ不安も少ないですが、

ツボBのように内訳がわからないと一気に不安になりますよね。

 

その結果、ツボAを選ぶ人が多くなるのです。

 

 

人間の心は「不確かなことを回避する」ように働く、というのが

エルスバーグの逆説の内容です。

 

 

不確実性こそが不安の根本的な原因ということができそうです。

 

 

不安を解消するためにも、何がわからないのか、

 

不安の原因を究明することが大切です。

 

 

 

 

 

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