こわい人にはこわい！？ ～恐怖症の世界へようこそ（２）～
以前、ご紹介した恐怖症シリーズの第２弾をお送りしたいと思います。
ここで恐怖症について復習しておきましょう。
恐怖症とは正式には
「限局性恐怖症」といいます。
また、特定の恐怖症や単一恐怖といった呼ばれ方もします。
特別な対象や状況に対し、一般には了解しがたい恐怖感を抱いている状態のことです。
高いところや狭いところが苦手、蜘蛛が怖いなど、
怖いものというのは誰しも少なからず持っていると思います。
しかし恐怖症を持つ人は、恐怖心の程度が過度であり、
日常生活に支障をきたしています。
さて恐怖症について思い出したところで、
マニアックな恐怖症の世界に今回を浸っていきましょう。
① 道化恐怖症
道化とはサーカスやパチンコ店でよく見るピエロのことです。
メイクアップしたピエロを見ると、異常な恐怖感を抱いてしまう現象です。
本来は愉快でおどけものを象徴したピエロに対して
恐怖感を覚える病的な心理と言えるでしょう。
ピエロ恐怖症やコルロフォビアともいいます。
道化恐怖症の原因としては
「メイクアップされた顔からは、感情を読み取ることが出来ないから」
というものがあげられます。
また欧米では、
「サーカスが幼少期から身近にあって、
なんにでも恐怖を感じる年齢の時にピエロを見てしまい、
成長してからも恐怖症として残る」
「ピエロの愉快で楽しいイメージを逆手にとった
映画やドラマなどが作成され、逆に悪役パターンとして
イメージが定着した」
などの説があります。
あの有名なハリウッド俳優ジョニー・デップも
道化恐怖症であることが知られています。
ピエロ克服のために、あえてピエロの人形を家に置いているそうです。
② 男性恐怖症
「子供時代に男の子からいじめを受けた」
「レイプの被害に遭った」
「父親（もしくは、兄弟）から虐待を受けた経験があった」
といった経験を持つ人が、男性に対して不合理な恐怖心を抱く心理現象です。
しかしもとから恋愛や異性に対してあまり興味がなかったり、
異性交際に価値を置いていない女性を、男性恐怖症と
決めつけられている場合もあるので注意が必要です。
その一方で、男性恐怖症である女性が、
男性に対してそっけない態度を示しているところだけを見て
「現代的」「自立した女性」
とその女性をみなす傾向が日本にはあります。
そのために、男性恐怖症であるのに、その自覚がない女性も増えているようです。
一般的には女性の症例が多いですが、男性にもまれにみられます。
男性が男性から性的虐待を受けることで、
同性愛に対する恐怖症や男性恐怖症に陥る男性も近年増加傾向にあります。
男性恐怖症も、認知のゆがみが根本的な原因です。
「普通の男性は自分が恐れているようなことをしないから大丈夫」
という事実を確認できるような行動療法を実施して回復を目指します。
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